チームで使える設定術 -- 設定の型、よく使うコマンド、共有のポイント
VS Codeを中心に、AI支援ツールが複数存在する。GitHub Copilot が最大手だが、Claude Code, Cursor, Cody といった選択肢もある。各ツールの得意領域が異なるため、プロジェクトの性質に合わせて選ぶ。
| ツール | 形態 | 強み | 料金(個人) | 推奨場面 |
|---|---|---|---|---|
| GitHub Copilot | VS Code拡張 | インライン補完の精度、GitHub統合、マルチモデル対応(GPT-5.2, Claude Sonnet 4.5, Gemini 2.5 Flash等) | $10/月 (Individual) Free版あり(月2,000補完) |
日常のコーディング全般 |
| Claude Code | CLI | 大規模コンテキスト、リファクタリング、エージェントチーム機能(研究プレビュー) | API使用量ベース | 複数ファイルの横断的変更 |
| Cursor | 独立エディタ(VS Code fork) | エディタとAIの深い統合、Composer(マルチファイル編集)、Agent機能 | $20/月 (Pro) | AI中心の開発スタイル |
| Sourcegraph Cody | VS Code拡張 | 大規模コードベースの横断検索・理解 | $9/月 (Pro) | レガシーコードの理解 |
| Continue | VS Code拡張 | OSS、モデル選択の自由度 | 無料(モデル費用別) | 自前モデル利用、カスタマイズ |
| OpenAI Codex | クラウドエージェント | コーディング特化クラウドエージェント、自律的タスク実行 | API使用量ベース | バックグラウンドでの自動実装 |
Copilot はエディタの現在のコンテキスト(開いているファイル、カーソル位置、コメント、インポート文等)をモデルに送信し、続きのコードを予測する。全ファイルを送るわけではなく、関連度の高い部分を選別して送信している。2026年現在、Copilot Chatではモデルを選択可能で、GPT-5.2、Claude Sonnet 4.5、Gemini 2.5 Flashなどマルチモデルに対応している。
| 機能 | 操作方法 | 用途 | 出力形式 | 精度目安 |
|---|---|---|---|---|
| Inline Suggestion | コードを書き始めると自動表示、Tab で受け入れ | 関数の実装、定型パターンの補完 | 灰色テキスト(インライン) | 高 |
| Chat | Ctrl+I またはサイドパネル | コードの説明、バグの原因調査、設計相談 | チャット形式(Markdown) | 高 |
| Copilot Edits | コード選択 → Copilot Edits(GA、一般提供済み) | 複数ファイルの同時編集を自然言語で指示 | 差分表示(Accept/Reject) | 高 |
| Next Edit Suggestions | コード変更の文脈から次の編集を自動提案、Tabで適用 | 連続的なコード変更の加速 | 灰色テキスト(インライン) | 高 |
| Terminal | ターミナルで Ctrl+I | CLIコマンドの生成、エラーメッセージの解説 | コマンド候補 | 中-高 |
| Agent Mode | 正式リリース済み。Chat内で自律的にタスク実行 | ファイル作成・編集、ターミナルコマンド実行、エラー自動修復 | ファイル編集 + ターミナル操作 | 中-高 |
| Coding Agent | GitHub Issue を割り当てて自動実行 | PRの自動作成・修正。Issueから自律的にコーディング | PR作成 + コード変更 | 中 |
VS Codeの設定はプロジェクトルートの .vscode/ ディレクトリに置けばチーム全員に共有される。settings.json, extensions.json, launch.json の3ファイルをGitにコミットしておくのが定石。
拡張機能はカテゴリごとに整理して、チームに推奨セットを提示する。全員に必須のものと、任意のものを分けておくと混乱が少ない。
| 拡張機能 | 機能 | 必須度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| GitHub Copilot | AIコード補完 | 必須 | 有料ライセンスが必要。組織アカウントで一括管理推奨 |
| ESLint | JavaScript/TypeScript の静的解析 | 必須 | .eslintrc をリポジトリにコミット |
| Prettier | コード自動整形 | 必須 | .prettierrc をリポジトリにコミット |
| GitLens | Git blame, 履歴可視化 | 推奨 | コードレビュー時の変更追跡に役立つ |
| EditorConfig | インデント、改行コードの統一 | 推奨 | .editorconfig をリポジトリにコミット |
| Error Lens | エラー・警告をインラインで表示 | 任意 | 視認性が上がるが表示が多いと感じる人もいる |
Copilot のサジェスション品質はコンテキストの与え方で大きく変わる。コメント駆動開発、ファイル分割戦略、型定義の先行記述がポイント。
// ユーザーIDからアクティブな注文一覧を取得する
// 注文は作成日の降順でソートし、最大20件に制限する
// キャンセル済みの注文は除外する
async function getActiveOrders(userId: string): Promise<Order[]> {
// 注文を取得
async function getOrders() {
| テクニック | やり方 | 効果 |
|---|---|---|
| 型定義を先に書く | interface / type を先に定義してからロジックを書き始める | Copilotが型に合致したコードを生成する確率が大幅に上がる |
| 関連ファイルを開いておく | 使いたい関数やモデルのファイルをタブで開いておく | Copilotがそのファイルの内容をコンテキストとして使う |
| テスト名を先に書く | it('should return 404 when user not found') のようにテスト名だけ先に記述 | テスト名から実装を推論してくれる |
| 例を1つ書く | 配列の最初の要素を手動で書き、残りをCopilotに任せる | パターンを認識して残りを正確に補完する |
| ファイル名を意味のあるものにする | utils.ts ではなく dateFormatter.ts のように具体的な名前にする | ファイル名がコンテキストになり、関連するコードが生成されやすい |
Copilotは個人の生産性向上だけでなく、チーム全体のワークフローにも組み込める。コードレビュー補助、ドキュメント生成、リファクタリング支援の3つが代表的な使い方。
AIが生成したコードレビューコメントやリファクタリング提案をそのまま採用してはいけない。人間が内容を確認し、プロジェクトの文脈に合っているかを判断してから反映する。AIはツールであり、レビュアーの代替ではない。
Copilot の導入効果を客観的に測るには、メトリクスの定義と計測方法を事前に決めておく。GitHub が提供する Copilot Metrics API を活用すれば、組織全体の利用状況を可視化できる。
| メトリクス | 計測方法 | 目安値 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 受入率 (Acceptance Rate) | Copilot Metrics API / Dashboard | 25-35% | 低すぎる場合はプロンプトテクニックの研修が有効 |
| アクティブユーザー率 | ライセンス付与数 vs 実利用数 | 80%以上 | 利用率が低い場合は操作研修やキックオフが必要 |
| PR作成速度 | 導入前後のPR作成頻度を比較 | +20-40% | PR粒度の変化(小さいPRが増える)も考慮 |
| 開発者体感 | 四半期ごとのアンケート | NPS 30以上 | 定量データだけでなく定性フィードバックも収集 |
| コスト対効果 | ライセンス費用 vs 削減工数の金額換算 | ROI 300%以上 | 月$19/人 に対して削減時間から工数を金額換算 |
Copilotの導入は一気に全社展開するのではなく、段階的に広げるのが成功率が高い。個人での試用、チームでの標準化、組織全体への展開の3フェーズで進める。Free版(月2,000コード補完、50チャットメッセージ)も利用できるため、まず無料で試すことも可能。
| フェーズ | 対象 | ライセンス | 成功基準 |
|---|---|---|---|
| Phase 1 | 先行チーム 3-5名 | Individual ($10/月) | 参加者の80%が「続けたい」と回答 |
| Phase 2 | プロジェクトチーム 10-20名 | Business ($19/月) | 受入率25%以上、アクティブユーザー率80%以上 |
| Phase 3 | エンジニア組織全体 | Enterprise ($39/月) | ROI 300%以上、NPS 30以上 |